- 1つのブランディングができるまで
NISHIYAMA RYOKAN -
PART.1
京都市外の中心地に位置する宿泊施設「ホテル西山」。
TPOdesignも、数年前にパンフレットを手掛けさせていただいたことがあるお客様です。
そのホテル西山様から連絡があったのは、2008年の春先でした。
お会いした専務から依頼されたのは、
「ホテルのイメージを一新したい。」
という、まさにブランディングデザインの依頼そのもの。京都は年々、観光客数が増加の一途を辿る都市です。
そんな中でも、ホテル西山様が以前から着目しているのが「外国人観光客」。
こちらも毎年その数を増やしており、2008年には90万人を突破しています。
その外国人観光客にアピールするため、西山様はホームページも日本語版と英語版を準備し、
スタッフも英語研修を行うことでサービス向上を目指してきました。
その努力が実り、ホテル西山様に訪れる宿泊客の中でも、外国人の方が大きなウェイトを
占める様になったそうです。そこで問題になってきたのが、ホテルそのもののデザイン。
創業以来使ってきたロゴは、日本の観光地でよく見られるデザインで、
それに伴うステーショナリーなども全体としてどこか懐かしい雰囲気漂うものでした。
しかし外国人宿泊客が多くなってきた現状に、それらのデザインがマッチしていない、
というのが専務の悩みだったのです。PART.2
そこで、ホテル西山様のブランドリニューアルプロジェクトがスタート。
まず私たちはロゴデザインを作り始めました。ここで念頭に置いたのは、やはり「外国人宿泊客も親しみやすいデザイン」。
もちろん従来の日本人の観光客の方々もホテルを利用します。
どちらにも馴染むような、絶妙なさじ加減が必要でした。
そこでまず、ロゴタイプを英文字にすることを提案しました。
するとここで西山様から提案が。
それは、ホテルの名称自体を「ホテル西山」から「NISHIYAMA RYOKAN」に変える、
というものでした。
“RYOKAN”と書くと、外国人の方には意味が分からないのではないかと思いましたが、
例えば”JUDO”や”SAMURAI”のように、日本古来の伝統ある呼び名をあえてアルファベットで
表現することで、逆に外国人の方々にも、日本に来ていると実感してもらえるのではないか、
という妙案でした。
「”HOTEL”のことを、日本では古くから”RYOKAN”と呼ぶのですよ」
そんな小さな発見を、楽しんでもらえたら…。
西山様の、ゲストへ対するおもてなしの姿勢が見えたエピソードでした。何種類か作ったロゴデザイン案ですが、しかしどれも西山様が「これだ」と来る
デザインが出来上がらず。
何度も打ち合わせながら、コンセプトに沿ったデザインを探していきます。PART.3
ここで私たちは、「外国人観光客のために」というのを過度に意識しているのでは、
と思う様になりました。どこか強引に作っている印象が西山様には伝わっていたのかもしれません。そこで次に、これまでのスタイルをガラリと変えたデザインを作ることに。
「山」という漢字をグラフィック化し、西に沈む夕陽のイメージをプラスし、
日本の古き良き郷里の雰囲気を作りつつも、シンプル化してロゴとして成立するようにしました。
確かに「旅館」を”RYOKAN”と銘打つことで、仕上がったロゴのユニークさが際立ち、
京都の他でも見れない、独自のロゴが出来上がる結果となり、
西山様もこれを見てすぐに気に入って頂けました。PART.4
次に、このロゴデザインと、使用しているカラーリングを徹底して展開し、
ホテルの全体的なデザインを作り上げていきます。
奇しくも、ホテルの建物そのものをリフォームするタイミングと合ったので、
オレンジをあしらったロゴと連動したカラーに変身。また、館内で配布する三つ折りパンフレット、周辺マップなども作成。
旅館の雰囲気を壊すことのないよう気を使い、名刺やショップカードも仕上げていきます。
さらにスリッパ、浴衣など宿泊用のグッズも手掛け、全体のデザインがまとまりました。
こうして装いも新たに生まれ変わった、NISHIYAMA RYOKAN。
新しいブランディングは好評のようで、中にはグッズを持ち帰ってしまうお客様も
おられるようです。
以前からサービスに熱心な西山様でしたので、海外からお越しになった方の京都の思い出に、
華を添えられていることでしょう。
今回のプロジェクトは、明確なユーザーターゲットに向けてデザインコンセプトを作った案件でした。
「こんなお客様に来ていただきたい」という経営者様の計画も、デザインによって何倍も効率をあげることが出来ます。TPO designでは、お客様との念密な打ち合わせで目的を明確化し、もっとも効果のあるデザインをご提供させていただきます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。












